看護師の雇用形態は、従業員と公務員の2種類に大きく分類されますが、従業員は個人診療を始めとした民間の病院に勤める場合の雇用契約で、公務員は国や自治体が管理する病院で勤務をする場合の雇用形態です。
経営母体が違っていても医療従事者であることに変わりはないので、基本的な仕事や勤務形態などに違いはありません。ただし、民間と公務員では収入面で大きな違いがあります。
勤務する病院によって細かな違いはありますが、公務員看護師の初任給は平均15万円から16万円程度です。民間の看護師が20万円前後と言われているので、金額としてはかなり少ないのは否めません。しかし、看護師に限らず、公務員は古くからの年功序列システムが残っているので、キャリアを積むことで給料は自然と高くなっていきます。新卒から5年程度で年収が数百万円アップするケースも珍しくありません。
また、公務員看護師では夜勤に対する手当が民間と比べて極端に少ないとも言われています。入院設備のある病院では、24時間体制で患者の動向を見守らなくてはいけないため、日勤と夜勤のシフト勤務が基本です。民間の病院の場合、1回の夜勤で看護師に支給される手当が1万円前後なのに対して、公務員看護師は数千円程度とされています。基本給が高く設定されているため生活に支障が出ることはないとはいえ、手当の少なさはモチベーションの低下に繋がりかねません。
前述したように、シフト勤務が基本で夜勤は避けられないので、できる限り少ない日数で済ませられるようにすることがポイントです。手当や年収の相場などの情報収集を行っておくと、公務員看護師を目指す際の指標になるでしょう。